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お客様の声
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先生のレッスンをもう受講することができないのは、少し残念な気もします。
飼い主様名 | 甲斐根様 |
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コース | 問題行動矯正レッスン |
犬の名前 | こたつくん 8ヶ月 |
犬種 | トイプードルとマルチーズのMix |
受講期間 | 2クール |
私たちが住む横須賀から教室のある山手までは少し遠く、車で小一時間ほどの距離でしたが「今日のレッスンでは、どんな発見があるんだろう?」と毎回楽しみに通っていました。毎週レッスンを終える度に、少しずつ犬との生活が快適になっていくのを感じていたので、遠い距離でも全く苦にはなりませんでした。 最初は出張レッスンを検討していましたが、私たちが悩んでいた「留守番時の吠え」は、出張より教室でのレッスンの方が早く改善するだろうと先生の勧めもあり、仕事の都合もあり悩みましたが、教室のレッスンを受講出来て本当に良かったと思っています。 通っている期間中「吠え」以外の問題行動が出てきましたが、糸山先生という信頼できる存在に、より精神的に余裕を持つことができました。毎回のレッスンで飼い主とのカウンセリングの際に、どんな小さなことでも真剣に話を聞いてくださり、改善に向けて惜しみなく指導をしてくださるのがとても心強かったです。 私たちと犬との暮らしは、愛犬のこたつが月齢5ヶ月の頃から始まりました。まだ子犬で柔軟な時期だったため、テレビをつけても興味津々で一緒に観たり、お留守番も静かにしてくれて、大きな悩みもなく犬との生活を楽しんでいました。 しかし、最初の困りごとは、散歩中に起こりました。向かいの横断歩道にいた犬を見た瞬間、こたつが悲鳴に近い鳴き声で吠え始めたのです。あまりの鳴き声にどう対処すべきか分からず、私もパニックになってしまいました。 その後も散歩中に犬を見つける度に吠えてしまい、いくら指示をしても全く吠え止むことはありませんでした。最終的に吠えを止めることを諦めて犬に会わない時間帯や、ルートを選んで散歩するようになりました。 それからというもの、犬と出会ってしまった時は、吠えるこたつを抱えて迂回することしかできませんでした。だんだんと散歩が憂鬱なものになり、興奮するこたつと一緒に泣きながら家に帰ることもありました。 それでも「まだ子犬だから遊びたがっているだけでいつか治るだろう」と、淡い期待を抱いていました。その頃は、家の中だけが安心してこたつと過ごすことが出来る唯一の場所でした。 しかし、8ヶ月齢を迎えた頃、物音や気配に対する警戒吠えが始まり、家の中にいても悩まされるようになりました。外の音に吠え、テレビには吠えるどころか、興奮のあまり画面を激しく叩くという行動に出るようになったのです。 また散歩中は犬だけでなく、バイクや影にも吠えるようになり、留守番の時も30分~40分以上も吠え続けるようになってしまいました。ネットやしつけ本で見た「吠えている間は、叱らずに無視をして、吠えていない時に褒める」という方法を実践しても上手くいかず、とうとうマンションの下の階に住む方から苦情を受ける事態にまで発展してしまいした。 それからは、テレビをつけずに過ごし、留守番をさせる時は、こたつを実家や姉の家に預ける生活になりました。そして、引っ越しも考えるほど悩みました。こたつが吠えて「だめだよ」と叱る度に罪悪感が募り、「犬にとって吠えることは自然なことなのに、叱っても良いのだろうか?」という葛藤も常に心の中にありました。 その頃、しつけに関する情報を取り入れすぎて頭の中はパンク状態。あれこれ試しても効果はなく、何を信じれば良いのか分からなくなっていました。そんな時、偶然ヴィッセのHPを見つけました。最初は「漫画でわかるヴィッセのレッスン」を読んで興味を持ち、気がつけば「お客様の声」をほとんど読んでいました。 「同じ悩みを持つ飼い主さんがこんなにいるんだ!」と少し勇気をもらい、漫画にあったヴィッセの目標の一つである、『1日100回褒める』ということをなんとなく真似してみました。すると、こたつが少し落ち着いた子になった気がしたのです。私はすぐに問い合わせをし、カウンセリングを受けることになりました。 糸山先生との初対面は緊張の一言でした。お会いしてすぐに「今、一番困っていることは何ですか?」と聞いてくださり、留守番での長時間の吠えや散歩中の興奮について相談しました。そして、カウンセリング中にこたつが外に向かって吠え出したので、「だめ!」や「オスワリ!」と声をかけましたが、こたつの吠えが止むことはありませんでした。 また家で吠えている時には、無視して構わないようにしていることを話すと、「もし自分の子供が騒いでいたら無視をしますか?」と言われました。そして、ヴィッセの理念である「子どもと同じように育てましょう。」ということについて説明してくださいました。その理念とは、 「心と体を育み、情緒が安定した落ち着きのある子に育てること」そして、犬のしつけとは、子供と同じように「やってもよいこと」と「やってはいけないこと」を教えるというものです。 その後、こたつが吠えている理由や、きちんとしたコミュニケーションが出来ていないこと、私の声のトーンが弱すぎて、叱り方が全く伝わっていないことなどを指摘されました。 先生の言葉の一つ一つに衝撃を受けた私は、その場でレッスンをお願いし、こたつと共に横須賀から山手まで通うことに決めました。帰りの車内でいただいたテキストを見ているうちに、今までの鬱々とした気持ちが消え去って高揚感に満ち溢れていました。 たった一度お会いしただけでしたが、先生の熱意を感じたことで「私たちの頑張り次第でこれからの生活が変えられるんだ」というやる気が芽生え、今までの生活に光が差し込んだ気がしました。 しかし、現実はそう甘くはありませんでした。テキスト通りに練習をしているつもりでも、実際に教室に行ってみるとなかなか上手くいきません。こたつは言われた通りにきちんと従ってくれるいい子なのに、飼い主である私の行動が足枷となっていました。何度同じことで先生から指導を受けたかわかりません。 先生は、「犬に教えるよりも、人間に教える方が大変なんですよ!」と笑って仰っていましたが、まさにその通りでした。レッスンでは、先生が私たちのレベルに合わせて、分かりやすく例え話でお話ししてくださるので、毎回あっという間に30分のカウンセリングが過ぎていました。 特に印象に残っている例え話は、「境界線アイコンタクト」で目が合ったものの、怖がってなかなか教室に入ろうとしないこたつを見て先生が、 「廃墟ツアーにご主人と行って、何があるかわからない部屋に入るのに『行こう!』と言われても怖くて入れないですよね?でもご主人が先に入って『大丈夫だよ!』と言ってくれたら、少し安心して入れると思います。 同じように犬が怖がって入れない場合も同じで、まず飼い主が犬より先に入って、犬に『安全だよ!』と教えてあげなければなりません。」と話してくださったことです。 ヴィッセでは、教室に入る前に「境界線アイコンタクト」というものを行います。飼い主が名前を呼び、犬が見上げて飼い主と目が合ったら入室するというものです。初回のレッスンでは、興奮したこたつを制御することすらままならず、全くできませんでした。それから練習を重ね、散歩中でもほぼ成功するようになっていました。 3回目のレッスン時、教室の入り口に立ち、いつものように「こたつ?」と呼びかけました。しかし、本番では家での練習時のように反応しません。もう一度呼びかけようとした際、先生から声のトーンについてヒントをいただきました。 「病院の待合室で『◯◯さん?』と呼ばれるよりも『◯◯さーん!』と呼ばれた方がハッとしますよね。いろいろ試して、伝わりやすい声のトーンを見つけてみてください。」と言われ、 いつもよりも1トーン高く、テンションを上げて「こたつ!」と呼びかけると、やっとこちらを見てくれました。この声のトーンやテンションが、私にとって最大の課題でした。 普段から大きな声を出すことが少なく、どちらかというと弱々しく聞き取りづらい声質なので、禁止のしつけである「ノー!」が特に伝わりづらく、その後、かなり苦労することとなりました。 7回目のレッスンを受ける前に、こたつが攻撃性を持って咬みついてきた出来事がありました。不注意で落としたペットボトルの蓋をこたつが咥えて離さないので、取り上げようとしたら血が滲むほど強く咬まれました。 あまりのショックで、叱るどころか泣いてしまいました。レッスンの日に先生に相談すると、「かなり深刻な状況です。家庭犬として一番やってはいけないことだから、中途半端ではなく本気で叱らなければいけません。 今は攻撃性の芽が少し出ているだけですが、成功体験を与えることでどんどん大きく成長してしまいます。もともと叱るのが苦手な方なので、とても心配です。」と言われました。 これまで、こたつが私の「ノー!」を聞いてくれることはほとんどなく、先生のような迫力で叱ることは無理だという自覚もあったので、もし10回のレッスンが終わるまでに治らなければ、追加レッスンをお願いしようと考えていました。 その後、仕事の都合で次のレッスンまで2週間ほど空くことになり、その間にまた別の攻撃性の咬みつきが起きました。それは、排泄物に対する攻撃性でした。う〇ちを片付ける際、今まで威嚇だけだったのが、取られまいとして本気で咬もうとしてくるようになったのです。すぐに「ノー!」と言って強めに叱りましたが、まったく効き目はありませんでした。 叱って止めさせることができないので、こたつがう〇ちをして食べる前に、オヤツで気を引いて止めようとしました。しかし、それを繰り返しているうちに、こたつの排泄物に対する執着心が生まれ、う〇ちを取られまいとして、余計攻撃性が激しくなってしまいました。 先生に相談したところ、私たちの過剰な反応や行動が、余計う〇ちに価値をつけていたと指摘されました。原因が分かって少しは安心できたのですが、私が「こたつをトリミングに出して、もしう〇ちをした時、トリマーさんを咬まないかが心配です。」と先生に伝えたところ、 「今回の食糞の問題行動は、飼い主との間で起こっていることだから、トリマーさんを咬むことはありません。」と言われました。その時は半信半疑でしたが、食糞を相談した日のレッスン中の動画を見て驚きました。こたつがう〇ちをしたので、先生がう〇ちを片付ける様子を動画に撮って送ってくれたのです。 先生は何の声かけもせず、こたつの目の前でう〇ちを片づけているのです。淡々と片付ける先生を見てもこたつは全く無反応でした。先生の言った通り、私たちが過剰に反応していたため起こっていた問題行動だったのです。 この気づきが私たちにとって大きなきっかけとなりました。これまでのカウンセリングで先生が教えてくださっていた犬への接し方、想像力を持つこと、楽しく聞いていた例え話が全て繋がり、犬が信頼できる飼い主としての行動が見えたような気がしました。 しかし、そう思ったのもつかの間、散歩中に拾い食いをやめさせようとした際に、再び咬みつかれました。この時も目を見てしっかり叱ったつもりでしたが、繰り返し咬みつきが起こったことで不安が募りました。 そして、自宅に帰り拾ったものを離させる「アウト」の練習をしましたが、練習中にまた噛みついてきたのです。「もうここで終わりにしなければならない。先生ではなく、飼い主である私自身が悪い芽を摘み取らなければいけない!」と思い、手から血が出ているのも構わず、私はこたつに「ノー!」と言い続けました。 「こたつ、ノー!いけない!」「噛むのはいけない!だめ!ノー!」と繰り返し、必死で戦いました。今のうちに攻撃性の芽を摘み取らなければならないという思いで、いけないということが伝わったと感じるまで「ノー!」を繰り返し、気がつけば涙が出ていました。 攻撃性の芽を摘み取れたという自信はありませんでしたが、これまで生きて来た人生の中で、こんなに叱ったのは初めてです。先生から教わった「本気で叱る」ということがこたつに伝わったのか、その日を境に攻撃的な噛みつきがなくなったのです! 先生は、初回のカウンセリングの時から「問題行動は飼い主との関係性の中で起こっている。」と答えを教えてくださっていたのに、9回目のレッスンで「原因は自分だった」とようやく気づけました。犬だけに変化を求めるのではなく、飼い主も変わらなければいけないと学びました。 10 回のレッスンで、悩んでいたことはほぼ解決しています。甘えん坊なので留守番は相変わらず苦手ですが、吠えても「待って」と「ノー」で止まるようになりました。ヴィッセの目標の一つである「駄目がきちんと理解できる聞き分けの良い子」になってくれてとても嬉しいです。 一生観れないと思っていたテレビが観れるようになり、毎日の散歩も楽しんでいます。もちろん完璧ではありませんが、たとえこの先問題行動が起きても、対処出来る心構えと「共に暮らすための基礎」を糸山先生に教えていただいたので、もう困ることはありません。 こたつの攻撃性の芽が摘み取れたことで追加レッスンを受けることはありませんでしたが、先生のレッスンをもう受講することができないのは、少し残念な気もします。 糸山先生、2ヶ月半という短い期間でしたが、私たちを導いてくださり、ありがとうございました。 |