横浜市の犬のしつけレッスン

お客様の声 出口の見えなかった暗いトンネルを、先生が最初に約束してくださったとおりに

出口の見えなかった暗いトンネルを、先生が最初に約束してくださったとおりに

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飼い主様名

H.K様

コース

問題行動矯正レッスン

犬の名前

アンジェラちゃん

犬種

イタリアン・グレイハウンド

受講期間

3クール


DOG SCHOOL Visse
糸 山 雅 敏  先生
 
1. はじめに
出口の見えなかった暗いトンネルを,先生が,最初に約束してくださったとおりに,アンと私の手を引いて出口まで導いてくださったのだなと,今,感謝の気持ちで本当に胸がいっぱいです。ありがとうございました。
 
先生に出会ったことで「グーッド,アンジェラ,いい子だね。」という口癖を授かったことが,何よりも私の財産です。先生に教わったこと,レッスンを通しての経験全てが,これから先も,犬と生きていく上で,何ものにも代えがたい財産となりました。アンも,先生と信頼関係を築く中で,縄張り意識による攻撃性を発揮して人の役に立ちたい,という「呪縛」が解けつつあります。
 
2. アンの問題行動
(1)アンは,2歳ころまで,驚くほど人間にとって「いい子」でした。明るい性格で,人にも犬にも吠えませんでしたし,おトイレも完璧。高速で走る美しい姿を見たくて,遠方でもアンが走りやすいドッグランに行くなどし,犬ライフを存分に漫喫していました。
 
(2)それが,2歳を過ぎたころから,リードでつないでいる状態のときに,他の犬に興奮して吠えたり,向かっていこうとしたりするという行動が起こり始めました。散歩中,すれ違う犬に吠える。遠くでも犬を見つけると興奮したり,旅行中にテラスなどで食事をしているときに他の犬が近づくと興奮して吠える,抱き上げるともっと吠える。
 
特にギャン吠えが激しいのは,人間の食事中や公園のベンチで一休み中など,一所に留まっている状況で犬が近づいてくる,という場面でした。そのような場面でのアンのギャン吠えは,興奮の程度が少し異様な雰囲気を醸し出すことがあり,まるでゾンビかエイリアンのようになります。

制御不能の動きと,この世ならぬ鳴き声(ハーフチョークで首が締まるため,のどの奥から絞り出すような,それでいてギャンギャンいうような)を出すため,その場を離れざるを得ないことが多々ありました。服を噛みちぎられたり,手や足を噛まれたりすることもありました。
 
そのようなアンの様子に,はじめは,犬に「来るな!」といっているのかと思い,犬から何か怖い思いをさせられたのだろうかと考えました。しかし,いざ,ドッグランでノーリードにすると,他の犬を誘って追いかけるそぶりを見せますし,追いかけられることもある。犬を怖がっているようには見えませんでした。
   
単純に犬が嫌いなのかなとも思いましたが,やはりノーリードでは適度に犬とあいさつをしますし,牙をむくことも追い払うこともないのです。顔なじみの犬友さんには「ほんとに上手に他の犬と遊ぶね」と言っていただくほどでした。
 
(3)そういった状況でしたので,私が途方に暮れたのは,どうしたらよいか分からないのもありましたが,アンが「なぜ」ギャン吠えをするのか分からない,というのが大きな理由でした。
 
アンのギャン吠えに,私は,優しくなだめたり,叱りつけてみたりしましたが,ゾンビになっているアンの耳には全く入りません。どうしてよいか分からずに,途方に暮れ,旅行も行かなくなり,犬を避けながら散歩する,という状況になっていきました。
 
行く先々で出会う犬飼いさんや,トリマーさんに相談してみると,アンの行動について,様々な見解がありました。いわく,飼い主を守っている,遊びたいだけ,犬とはそういうものだ,などなど。中でも,やはり「社会化不足」という指摘はあり,私も,ものの本で見知っていたことでした。

ただ,社会化不足と言われると,アンのギャン吠えは私のせいか,と,ただただ飼い主が落ち込む要素にしかならず,では,どうしたらよいか,が分かりませんでした。
 
(4)小学生のときに拾ってきた犬を飼って以来,これまでアンを含め4頭の犬を飼ってきて,私は初めて,これはプロに任せてみるしかないという思いになっていきました。そして,インターネットで検索する日々が始まったのですが,折も折,例のNHKの番組を見たのです。

あの番組で,叱るしつけと褒めるしつけを受けて感情を失くしたようになってしまった犬を見て,私は,下手なところにアンを預けられない,自分でまずは勉強しようと思いました。そうして,出会ったのは,あるトレーナーの本でした。
 
3. 他のセミナーに参加 
私は,自分が学んで何とかしようと,そのトレーナーのセミナーに参加し,本も熟読し,そこで紹介されている方法を実践してみました。コンセプトとしては,従来から言われている服従訓練ではなく,犬のありのままをできる限り受け入れる。

そして,(人間にとっての)問題行動を起こしたい,という犬の欲求を上回る欲求を満足させて行動を変えさせる,というものと理解しました。具体的には,吠えそうになったら,それよりもアンの意識が向く,とびきりのおやつを提示する,吠えないと良いことあるよ!と示していく,といったものでした。
 
アンのありのままを観察するということ自体は,とても有意義な経験でした。これでうまくいくケースもあるのだと思いますが,アンの場合は,1年間くらい,様々なおやつを試しましたがあまりうまくいきませんでした。結局,そもそも犬がいる場を極力避けて生活するしかないか,旅行に連れていくのも人間のエゴか,などと考えて諦めていました。
 
4. 糸山先生との出会い
そのような折,アンが4歳になった年の春のある日,なぜか思い立って,犬がたくさん集まる野外イベントに出向いたところ,アンのギャン吠えと興奮で,夫が噛まれる事態が起こりました。
   
しばらく,噛まれるほどはなかったので,全くアンに変化がなかったことに愕然とし,その日の夜から,もうプロにしっかり託そう,と悲壮感を漂わせながら決意して,しつけ教室を探したのでした。
   
そうして,たどり着いたのが,Visseでした。「お客様の声」には,アンと同じような状況の方が,改善していった様子が語られており,HPでの糸山先生の考えに触れ,すぐにカウンセリングを受けることにしました。振り返ってみると,このときの問合せの私のメールの雰囲気は悲痛そのものでしたね。
 
カウンセリングの日は,私が車を停めている間に,駐車場まで迎えに来てくださった先生に連れられて,アンが先に教室に入っていきました。遅れて私が教室に入った途端,先にケージ内にいた犬に唸り始めたアンに対して,先生が間髪入れず「ノー!!!」と。

そして,先生の顔を見上げてしっかり見ている。そしてピタリと吠えを止めたことが,本当に衝撃でした。「先にコミュニケーションをとっていましたから」とさらっと仰る先生の姿に,この人はすごい,と思ったのを覚えています。
 
また,この日のカウンセリングで「大丈夫,絶対に治りますよ」という先生の言葉にどれだけ救われたか。さらに,社会化不足という話題もありましたが,決して飼い主を責めるような文脈では仰らなかったことも,救われました。
 
帰宅して,先生の教科書を一気に熟読し,内容を実践していきました。これはきっと素晴らしい経験になる,という予感があり,レッスンの内容をなるべく記録し続けて卒業の日に提出したのが「Angela Report」です。本当に記録していて良かった。
 
5. レッスン開始  『明確な「診断」で救われる』
まず,最初のレッスンで,私が何よりも気になっていたアンのギャン吠えの原因について,先生は「これは,縄張り意識による攻撃性の発現だ」と確信ある言葉と態度で明確に「診断」してくださいました。今思えば,それで問題の半分は解決していたように思います。
 
もちろん,そのことの意味をより深く理解するには時間を要しましたし,その上で,どうやってその攻撃性を直していくかが問題になっていくわけですが,原因を明確に理解できたことで,方向性が明らかになったことが本当に嬉しかったです。
 
そして,アンの攻撃性を凌ぐものはない,と,おやつで気を逸らそうとしても意味がなく,こちらは犬のエネルギーを超えるエネルギーで,子を叱るように,本気で叱るのだと教えていただきました。もちろん,教科書にある「毎日実践する3つのこと」をしっかり実践しながら。
 
6. レッスンの日々
レッスンの日々の詳細は,レポートにあるとおりですが,とにかく,忍耐,でした。レッスンには,はじめの2か月はほぼ週1のペースで通い,とにかく毎日,犬がたくさんいるいろいろな公園に散歩に行きました。
 
散歩中,アンがギャン吠えすると,こちらもエネルギーを込めて本気で叱るので,毎日もうくたくたになっていました。叱り方については,本当にわかりやすく細かく教えていただきました。印象的だったのは,漫画のような分かりやすい怒った顔を犬に見上げさせる,お前いい加減にしろ!という気持ちを持つ,などなど。
 
私なりには「冷静に感情的に叱る」という風に理解しました。矛盾するようですが,犬の攻撃性を凌ぐほどの,こちらの「イケナイ!」という意思を「伝える」ためには,確かに心では「何なのお前!、ほんといい加減にしろよ!!ふざけんな!!!」という感情がないとそこまでのエネルギーが湧いてこない(笑)。
 
実際にはそのようなセリフではなく,犬には「ノー!!」と言うわけですが,そのようにしてエネルギーを沸かせて,かつ,冷静に「リードとハーフチョーク」と「犬との位置関係」をコントロールして「伝える」のが「叱る」ということだと,2クールのレッスンを通して理解しました。

しかし,はじめのうちは,私の「ノー!」などアンにまったく伝わっている感じがしませんでした。レッスンや日々の結果を記録するために,アンのギャン吠えレベルを10から100までに数値化して記録するようにしたのですが,レッスン開始から2週間ほどは、80~90レベルで推移していました。

よく観察すると,散歩中は,「ノー!」どころか,そもそも飼い主に意識が向いていないことに気づき,単純なアイコンタクトの練習から散歩中に織り交ぜていきました。それから1週間ほどすると,散歩中に目が合うようになり,と同時に「ノー!」に反応して意識が飼い主に向き始めていきました。
 
このような試行錯誤も先生に相談しながら行えたことで,私の犬とのコミュニケーション方法で間違っている点があれば修正していただきながら,導いていただきました。犬をのぞき込まない,とか,犬が吠えをやめてもすぐには褒めない,などの点は,先生の理にかなった分かりやすい説明とともに,本当に丁寧に指導していただきました。
 
また,この頃,教室で同級犬に吠え掛かったところを先生に叱ってもらい,即座に再度,同級犬に近寄ってきてもらい,吠えずに我慢できたので褒める,という経験をアンにさせていただきました。このような,褒める,褒められるという人工的な経験を,お散歩レッスン中も卒業犬さんの協力で何度もさせていただくことができたのも,多くの教え子をもつ先生のなせる業ですね。

レッスンから1か月ほどたつと,散歩中の犬とのすれ違いとのときのギャン吠えレベルが概ね70くらいになりました。この頃には,芝生でアンとくつろぐ,という夢のような経験もさせていただけましたね。これまでは,外に出るととたんに飼い主ではなく周りに意識が向いていましたから,今思えば常に警戒しているようで,芝生でアンの意識が私に向いていること自体が新鮮で,本当に嬉しかったです。

そして,この頃から,鬼門であった,ベンチなどで留まっているときに近づく犬に吠えない練習を開始しましたが,初回は,飼い主は普通に噛まれ,犬が遠ざかるまで全く意識が飼い主に戻りませんでした。この日は心が折れて帰宅しました。
 
ここから,2か月間は,途中の1か月,レッスンに通えなかったりしましたが,とにかく犬のいるところに毎日,積極的に出かけてはくたくたになって帰るという日々でした。犬とすれ違うときのギャン吠えは,かなり改善が見られはじめていましたが,留まっている場面の練習では,何回か噛まれる事態は続きました。
 
(4)心が折れそうになっていたとき,面白いことがありましたね。
レッスンがないときも,よく森林公園に行っていましたが,ちょうどレッスン開始から3か月がたったある日にも,森林公園に行ったときでした。すれ違う犬に40~50のレベルでガウガウし,ルンルン気分のノリノリで散歩していたアンが,ちょうど,お散歩レッスン中だった先生に,声をかけられました。
 
その瞬間,アンの体と意識が一瞬で固まったのが分かりました。「げっ!」というセリフが聞こえそうな(笑)。外で夜遊びしていた中学生が学校の先生に遭遇したときの,あの感じを彷彿とさせるアンの態度が可笑しかったのもさることながら,特にそのときに先生に叱られたわけでもないのに,先生と別れたあとも,しばらくは,犬にすれ違っても全くのスルー。先生のアンに対する影響を思い知った出来事でした。
 
つまり,アンの攻撃性が吹っ飛ぶほどの意識を向けているのが先生なのだと思いました。アンには攻撃性を引っ込める要素がしっかりある,あとは私が頑張るだけだ,とも思いました。
 
そもそも,アンは,先生に「犬に好かれるのが僕の特技なのに、この子は・・・。」と言わしめるほど,先生にあまりなつきませんでしたね。もともと,人は好きな犬で,先生以外の人には寄っていくのに,明らかに先生にはよそよそしい態度。
 
先生にアンが叱られたのは本当に数えるほどで,飼い主としては実は少し気まずかったです。先生は全く気にしておられませんでしたが(笑)。聞くと,レッスンでのセッションのときも,教室のカウンターの奥から出てこず,すでに4歳という大人でもあるので,無理には触れあっていない,とのことでした。
 
このようなアンの先生に対する態度は,レッスンから4か月がたつ頃には,変化するわけですが,今思えば,アンなりに先生のことをうかがっていたのかもしれませんね。
 
7. 「呪縛を解く」
そんなこんなで,レッスン開始から3か月。2クール最終日は本当に忘れられない出来事になりました。お散歩レッスン中,何やらアンの機嫌が良いので尋ねると,今日の教室でのセッションを,いつもよりは多少無理に行なってみたということでした。かえって,機嫌の良さそうなアンは,先生に自分から近寄ったり,少し甘えたりする様子を見せたので驚きました。
 
そのようなアンが,ロングリードでいつものように,吠えはせずに犬に近寄って行こうとしたので,私は自発的に戻ってくるのを待って見守っていました。ところが,間髪入れずに,先生がアンにすぐに声をかけて戻ってこさせましたね。私なりに思うところがあり,レッスン中期の頃は同様の場面で,吠えずに戻ってくるのであれば,まあよいでしょうと指導されたが今なぜ戻ってこさせたのかと質問しました。
 
すると,先生は少し考えてから「この数か月見てきて,やはりアンジェラは人の役に立ちたい,仕事として飼い主を守りたいと思って,犬に向かっていっている。それはしなくていい,としっかり伝えないといけない。」「飼い主を守らねば,の呪縛から解いてあげないといけない。だから,少しでも犬に自分で近づいていくのは,アンジェラの場合は止めないといけない。」と説明してくださいました。
 
「守らねば」の呪縛から解いてあげないと,という先生の言葉が,不思議とすとんと心に落ちました。その瞬間から,私のアンに対する「ノー!」の意味が明らかに変わりました。「ノー!(しなくていい!),ノー!(それは,やらなくていい!)」という感じに。
 
そして,アンの攻撃性が出そうになるタイミングで,そのメッセージを伝えることだと,先生に整理していただきました。この日は,もともと機嫌のよかったこともあって,また,私の意識が整理され,アンの立場になってみて犬を見つけたタイミングで,静かに,しかし迫力をもって「しなくていい」というメッセージを伝える作業をしていくと,いまだかつてないほど,犬に対してリラックスしているアンの姿がありました。
 
感動しました。人の意識が変わること,それを犬に伝えることができることで,こんなに変わるのかと。伝わればそのように振舞ってくれる,犬という生き物はなんて愛おしいんだ,とも思いました。
 
8. 追加レッスン
2クールが終わるとき,まだ不安のあった私の様子も察して,追加レッスンをやりましょうと言っていただき,是非にとお願いしました。このとき,先生が追加レッスンについて,アンが教室に来ること自体がストレスだとしたらやめた方がいいかもしれない,とおっしゃっていました。どこまでも犬のことを第一に考えておられるのだと,はっとさせられました。
 
ただ,私としては,まだまだ,とりわけ,とどまり時のギャン吠えに不安があったのと,アンの先生に対する特殊な意識の向け方はストレスではないはず,という飼い主としての直感を信じ,追加レッスンを受けることにしました。
 
飼い主の直感は、当たっていましたね。追加レッスン開始まで1か月半空き,2か月半かけて4レッスンというペースで行ないましたが,レッスンごとにアンの先生に対する態度がどんどん変わっていくのが本当に興味深かったです。毎日の散歩での練習も継続し,レッスン開始から5か月がたつ頃には,とうとう鬼門であったとどまり時のギャン吠えを,アンが我慢できるようになっていました。
 
6か月たつと,午前中に教室に預けて私が退室する際,いつもは私の方を向いて心細そうにしているアンが,早々に先生の方を向いてしまったのには驚きました。お散歩レッスン中も,私の足元に自発的に座って,通り過ぎる犬を見送りながら,のどだけ鳴らして我慢するようになりました。
 
もう大丈夫。レッスン開始からトータル7か月。完璧ではないけれど,ここから先は一人で行ける,と思えるところまで先生に導いていただき,無事,卒業することができました。
 
9. 協同作業
実は,追加レッスン前に,一度,試しに旅行に行きましたが,食事中の人間の足元に伏せて,隣に犬がいても見ているだけ,というほとんど奇跡的なことをすることができました。あれだけ,もう一緒に旅行はできないと思っていたので,本当に嬉しくて,先生に報告するためにたくさん写真を撮りました。
 
先生が,犬をしつけて変えるというよりも,飼い主の在り方にアプローチして犬とのコミュニケーションの方法を導いてくださる,ということは共感し理解していましたが,実践し,習得していくのは,思った以上に根気のいる作業でした。何度もめげそうになりながらも,先生に手を引いていただくようにして,進んで来られました。
 
2クール最終日の午前中の教室で,先が見えない心境を吐露したとき,先生から「今は,トンネルの先の希望の光は針孔くらいかもしれない。これがバレーボールくらいの大きさになったら,そこから先は一人で行ける?どのくらいの大きさになったら先を一人で行ける?という話。一人で行けると思えるくらいに光が大きくなるまでは一緒に行きましょう。」とおっしゃっていただいたときには,本当に心強かったです。
 
卒業の日,先生は,今回の仕事は難しかったと仰っていましたね。飼い主との協同作業だった,とも。しかし飼い主としては,レッスンは毎回毎回異なって生き物のようで,それを先生が職人的な直観と,経験と知識から,適切なタイミングで適切な指導をしてくださったと,思っています。
 
また,このように振り返って書いてくると,どのように「ノー!」を伝えるかがメインだったかのように読めますが,実はその裏で,毎日「ノー!」の10倍くらい「グ~ッド」と伝えているのですよね。先生のレッスンを受けた約7か月間,毎日毎日「グ~ッド」と言い続け,とうとう口癖になりました。グッドを伝えているからこそ,ノーが伝わる,ということも今ではよく分かります。
 
10. レッスンから11か月
今では,散歩中,信号で止まればすぐに飼い主とアイコンタクトをとってきて,犬を見つけると相変わらず興奮しそうにはなりますが,こちらの意思がすぐに伝わります。噛まれることはなくなり,卒業してからも旅行に行くことができました。本当に,先生のおかげです。ありがとうございました。
 
そして,望んでいた犬との暮らしもさることながら,アンは,私にとって決して初めての犬ではありませんでしたが,先生のレッスンに出会ったことで,犬との暮らしの見方そのものが変わったことを実は何よりも感謝しています。
 
犬を過度に擬人化することなく,犬にとって分かりやすいコミュニケーションをとれること,それによって信頼関係を築くことの妙を,味わわせていただいたことを,本当に感謝しています。
 
私自身がアンのギャン吠えに真剣に向き合う契機を与えてくださり(それは,犬なのだから仕方ない,という意識とは違って。),それをしなくていいと根気よく伝え続けるマインドと,少しの技術と,多くの気合を先生に教わり,外でもリラックスしているアンの今の姿が,先生に頂いた宝物です。
 
本当に,本当に,ありがとうございました。
今度,森林公園で思いがけず先生に遭遇するときに,アンがどんな態度を見せるか,楽しみです。
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