横浜市の犬のしつけレッスン

お客様の声 サクと共に生きていくことの喜びを、日々感じています。

サクと共に生きていくことの喜びを、日々感じています。

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飼い主様名

岩本様・大越様

コース

問題行動矯正レッスン

犬の名前

サクちゃん 7才

犬種

柴犬

受講期間

4クール



柴犬のサクが我が家にやってきたのは、2016年の5月のことでした。彼女が6歳のときです。譲渡の日に初めて会ったサクに触ろうとして、思い切り手を噛まれたことを思い出します。

犬を飼った経験のないわたしは、すべての犬は人間に対して友好的で、誰にでも触らせてくれるものだと思い込んでいました。しかし、自分の手からダラダラと流れる血が、それは大きな間違いだと気づかせてくれました。
 
その場で里親になることを断ることもできたのですが、不思議とそんなことは考えず、どうやってサクを家まで連れて帰ろう、とか、これからどうやって一緒に暮らしていこう、ということばかりを考えていました。
 
幸い、車に乗ることには抵抗がなく、リードを持って距離を保っている分には噛み付いてくることはなかったので、何とか家まで連れて帰ることができました。
 
もともと違う名前が付けられていたサクは、当たり前のことですが、名前を呼んでも知らん顔、わたしたちを見つめる目や表情には警戒の色しかなく、まるで野生の犬のようでした。
 
ごはんをあげてもまったく口をつけず、わたしたちをじっと見つめたまま、こちらの行動を監視しています。少しでも近づくと、歯を剥き出し鼻に皺を寄せ、唸ってばかりいました。

わたしたちが眠りにつくと、ようやくごはんを食べ始めるのですが、それでもほんの少ししか食べてくれませんでした。
 
すでに成犬のサクにとって、知らない人間の知らない家に連れて来られ、今までと違うごはんを出され、別の名前で呼ばれることが、どれほど怖くて混乱させる状況だったかということを、今なら深く理解することができます。
 
しかし当時は、なぜごはんを食べてくれないの?とか、どうしてそんな目で見つめるの?などサクの気持ちを推し量る余裕もなく、毎日毎日、どうして?なぜ?と自分たちのことばかりを考えていました。
 
撫でようとしたり、不意に触ってしまうと噛み付くため、わたしたちとサクの間には常に緊張感が漂っていました。

どうすれば噛まないようになるのだろう…… また、噛んだときはどういう対応をすればいいのだろう…… と悩み、本やインターネットで調べ、そこに書かれていた様々なやり方を自分たちなりに実践してみました。
 
しかし、色々なパターンをやればやるほど上手くいかず、より一層混乱してどうしていいのか分からなくなっていきました。そして、自分たちだけでは限界にきていたところで、糸山先生との出会いがありました。
 
プロに相談するしかないと思ったわたしは、通える範囲のドッグスクールをしらみつぶしに調べ、運営されている方の考え方や理念など、くまなく目を通しました。
 
甘噛レベルではなく本気で噛む成犬でも通えるところ、という条件があったため、多くのスクールは候補から外れていきました。
 
サクの場合、いわゆる「問題行動の矯正」というカテゴリーに属するわけですが、サクのような犬を受け入れてくれるところは、概ね訓練所のようなスクールばかりでした。
 
糸山先生のスクールにも、問題行動矯正レッスンのプログラムがありますが、その考え方は、他のスクールとはまったく違ったものでした。
 
犬にも人間と同じように心があり、机上で論じられている矯正方法がすべての犬にとっての正解ではなく、感情によって動かされるものである、ということを丁寧に説明されており、その考え方にわたしはとても共感しました。
 
人間の子育てや教育に当てはめてみれば、それは当たり前のことですが、犬にとっても同じことがいえると思います。
 
糸山先生のところに通いはじめて、最初に思ったことは、まずは飼い主が学ばなくてはならないということです
 
犬と過ごす時間、犬に対する接し方、犬との暮らしすべてを飼い主自身が認識して、どういう行動・どういう態度をとるべきかを知る必要があります。
 
犬を理解しようとするならば、自らが心を開いて犬と向き合うことが大切だ、と教えていただいたと思っています。犬としっかり向き合うということは、厳しさも伴います。サクが手を噛んだとき、わたしはこれでもかというくらい、本気で叱ります。
 
もちろん、叩いたり、物を投げつけるようなことはしませんが、首輪を掴んで低く大きな声で「No !」と言います。
 
サクのこれまでの生活環境や育ち方がどういったものだったのか、詳しくは分かりませんが、どんな理由であれ、噛むという行為は許されないことだと思っています。
 
人間の世界で考えてみても、たとえば複雑な家庭環境で育った人が、それを理由に他人を殴って怪我をさせたり、傷をつけたりするようなことは許されません。
 
負の感情は、違ったかたちでアウトプットすべきですが、サクは残念ながら噛む以外の方法を知らずに生きてきたのだと思います。
 
それでも、ダメなものはダメと厳しく、根気よく教えていくしかないのだということを、糸山先生から教えていただきました。
 
以前は、わたしが叱るとサクも引かず、しばらく唸って歯を剥き出してきましたが、最近ではわたしが怖いのか、「No !」と言うとブルブルと震えます。
 
感情のコントロールも、少しずつですができるようになってきたように思います。気に入らないことなどがあると、いきなり噛んでくることもあったのですが、まずは鼻に皺を寄せる、そのあとで唸る、そして噛む、というように段階を踏めるようになりました。
 
ただし、叱るときはそのまま終わらせず、叱ったあとにコマンドを出し、できたら「Good.」と言って、必ず褒めてその場を終わらせるように心がけています。
 
糸山先生のところに通うまでは、叱る際に中途半端なことばかりしていました。噛まれても、ただ無視をするだけだったり、噛まれたところを見せて痛がってみたり、自分で調べただけの知識の中で実践していました。当然、サクもわたしたちを信頼していなかったと思います。
 
そんなある日、レッスン中にサクが糸山先生の手を噛んでしまいました。そして、糸山先生は、「ダメなものはダメです。」と言って、わたしたちの目の前で、サクを厳しく叱ったのです。
 
糸山先生の叱り方を目の当たりにしたとき、犬は言葉が通じない分、本気で叱らなければ通じないということを、身をもって教えていただいたと思っています。
 
そして、噛む行為はいけないことだと分からせないことのほうが、結果的にサクを不幸にしているのだと、強く感じました。
 
サクが我が家にやってきて、またヴィッセに通いはじめて1年が過ぎました。その間、何度も何度も噛まれ、手や腕は傷だらけになり、服も何枚も破けてしまいましたが、この1年はわたしたちにとって、何ものにも代えがたい時間となりました。
 
糸山先生と出会っていなければ、サクとの時間をそんなふうに思えてはいなかったかもしれません。
 
この1年でサクも成長し、またわたしたちも飼い主として成長したと思います。糸山先生の犬に対する想いや考え方は、非常に明快で真っ直ぐで、迷いがありません。飼い主であるわたしが悩んだり迷ったときには、明確な答えで導いてくれます。
 
今現在、サクの中で、完全に噛む行為が無くなったわけではありませんが、犬と人間が心と心を通わせ、サクと共に生きていくことの喜びを、日々感じています。
 
噛まれた傷跡を眺めながら、サクも昔はやんちゃだったねと、いつか笑って言えるような日が来ると信じています。これからも、サクとわたしたちを、よろしくお願いいたします。
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