犬は、経験したことのないことには不安を感じます。この不安から「吠える」「咬みつく」「逃げる」など、飼い主がコントロールできない状態に陥ってしまいます。
これらの原因となっている不安要素を大別すると、「視覚刺激」「音響刺激」「接触刺激」の3つに分類できます。
ただし、すべての子犬がこれらの刺激に不安を感じるという訳ではありません。敏感かそうでないかは、生まれ持った性格が大きく左右します。
ひとつだけ言えることは、↑の刺激に敏感な子犬ほど、社会化レッスンの必要があるということです。子犬にとって生後6ヶ月間は、社会性を身につけるとても重要な時期です。
犬が不安に感じることをそのままにしておくと、その不安から過度な警戒心や恐怖心を生み、成長するにつれ
「人や犬に向かって吠える」、飼い主を「咬む」などの問題行動へと発展していく場合があります。それが社会化レッスンの不足です。
どんなに良い資質を持って生まれて来ても、犬の性格形成は、飼い方、育て方によって培われると言われています。
家族という社会、犬仲間という社会、そして人間社会で受け入れられる犬になるか、あるいは迷惑をかける犬になってしまうかは、この社会化レッスンが大きく左右するのです。
従来の家庭犬のしつけは、人間の仕事を手伝わせる為の訓練が基盤になっているので、「スワレ」や「マテ」など、犬に何かをさせることに主眼が置かれていましたが、
この時期における子犬のしつけで大切なことは、様々な経験をさせて豊かな心を育むことなのです。
過去の犬のしつけに必要がなくて、現在の犬のしつけに不可欠なものであるにもかわらず、一番欠けているのが、社会化レッスンです。
そしてこの社会化レッスンこそが、現在におけるしつけのファーストステップなのです。