犬が飼い主と暮らしていくうちに、何らかの理由で飼い主や家族よりも、自分の方が上だと思ってしまう犬がいます。この原因を作り出しているのは、他ならぬ飼い主です。
「犬を四六時中抱っこする」 「犬の好きなように自由に行動させる」 「一緒のベッドに寝かせる」
「犬の要求に無条件で応じる」 「散歩は犬の行きたい方へついて行く」など、
飼い主が良かれと思って与えている愛情や態度、接し方を、犬が自分に対して「従属的」な態度だと受け取り、その結果、自分の方が上だと思い込んでしまうことがあるのです。「権勢症候群」とも言われています。
優位性攻撃行動の矯正は、
1.ルールを何かひとつ作る
2.犬に決定権を与えない
3.日常生活で行う3つの事を実践する
この3つを行います。
子供も犬も問題が起きると、「飼い主(親)が甘やかして育てたからだ」と言われますが、甘やかすとは一体どういうことを言うのでしょうか?甘やかしとは、相手の要求に「無条件」で応えてしまうことです。
犬も子供も甘やかしは、問題行動が起きやすい原因とも言えるでしょう。飼い主と犬との信頼関係を築きなおすには、生活全般に渡って、飼い主が決定権を握っていることが重要になるのです。※決して主従関係ではありません。
犬(子供)をノールールで自由に育て過ぎると、当然わがままな犬(子供)になりやすくなります。愛犬に攻撃行動が起きた時、まず始めに見直すことは、犬に決定権を与えないことです。
犬が何か行動を起こそうとした時に、 一旦、飼い主に「してもいいの?」と「お伺い」を立てさせ、常に犬の方から飼い主にコミュニケーションを取ってくるように習慣をつけるのです。お伺いを立てさせることで、犬の従属性が引き出され、より飼い主の決定権が強化されます。
例えば、抱っこをせがむ時は、「お座り」をさせて、座ったご褒美として、犬の要求を満たしてあげます。優位性攻撃行動の矯正で大切なことは、犬が何かを要求している場合には、無条件に応えるのではなく、必ず飼い主側からの要求を挟むことで、犬の従属性を引き出すことです。
そして、犬にとって今まで無条件で手に入れていたご褒美となるものは、今後一切ただでは手に入らないということを学習させます。ヴィッセでは、優位性攻撃行動の矯正は、戦って服従させようとすることではなく、犬の信頼と尊敬を勝ち取ることを目標としています。