~2012年11月のブログから~
「アメリカンコッカー・スパニエルの大吉くん、8才です。今日で4回目のレッスンが終わりました。大吉くんはある理由で人を噛んで傷つけてしまいました。そして、その事で悲嘆にくれた飼い主さんは、安楽死さえ考えたそうです。
大吉くんがそうなってしまったのには、早期に親兄弟と引き離されたり、社会化不足や生活環境など、様々な要因が重なり合って「防御性攻撃行動」へと発達して行きました。
しかし、4回目のレッスンが終了した今日、今後のレッスンへの希望と道筋が見えたのです。一般的に犬のしつけは、年齢が高くなるほど難しいと言われていますが、しつけ教室でもとくに高齢犬の問題行動は、断られる所が多いみたいです。
しかし、僕はそう思っていません。なぜなら、問題行動とは「犬の心の病」だからです。その病を治すことに年齢は関係ありません。8才だろうが10才だろうが、その時に救ってあげなければ一番苦しいのは犬なのです。
問題行動の矯正は、飼い主と犬が初めに戻って「お互いにやり直す」ことです。そのお互いがやり直すことにも、遅すぎるということはありません。そして、最終的に犬が良くなるのは、他ならぬ飼い主さんの愛情なのです。」
あれから10年が過ぎ、大吉くんが11月1日に亡くなりました。今日、飼い主の方が、そのことを報告するために、わざわざ川崎から来てくださいました。
Yさん、ありがとうございます。僕は一生大吉を忘れません。優しい飼い主さんと暮らすことができた大吉は、とても幸せだったと思います。大吉のご冥福を心よりお祈り申し上げます。