無駄吠えや飼い主を噛むなどの問題行動の多くは、犬の生まれつきの性格に加えて飼い主が適切な学習と、適切な生活環境を与えなかった結果として発達することがほとんどです。その問題行動の改善には、犬以上に飼い主の努力が求められます。
ヴィッセの問題行動の矯正には、行動分析学における「行動療法」「行動変容法」という技法を使って行っています。簡単に説明すると、犬に良い行動を教えその良い行動が増えていけば、悪い行動は減っていくという理屈です。
人間で例えると、問題を起こす子供にテニスやボクシングなどを教え、その子がやがて上達して周りから称賛されるようになった時、多分、その子の問題は解決しているでしょう。子どもも犬も罰を与える(叱る)だけでは、根本的な問題は解決しません。
ただ、行動療法だけで、犬の問題行動が解決するという訳ではありませんが、どれだけのトレーナーや訓練士が行動分析学を勉強して「行動療法」を行っているかと言えば、いまだに旧態依然とした経験と勘だけで、古典的なトレーニングを行っている方々が多いのが実情です。
もちろん、どんな分野でも経験と勘は大切なことですが、行動分析学を勉強して人とそうでないトレーナーの差は歴然です。私はテニスコーチでもありますが、気合と根性だけでテニスを教えるコーチと、運動生理学や物理学を勉強したコーチに教わるのは雲泥の差です。
現在、問題行動の矯正法は様々な方法で溢れかえっています。問題行動が改善するかどうかは、飼い主の方がそのトレーナーや訓練士の考え方に共感できること。そして、心から信頼できることが何よりも大切なことです。