よくしつけの本に、犬のリーダーになるには、
・犬を飼い主より先に歩かせない
・玄関を出る時は飼い主が先
・食事は飼い主が先に食べて犬は後
・犬と一緒に寝ない
などが書かれていますが、これらの犬社会のルールを守ったからといって、
あなたが犬のリーダーになれるわけではありません。
犬を、本で読んだ知識、テレビや人から聞いた情報で動かそうとしても、
決してあなたの望み通りには動いてくれません。
なぜならそれらの情報は、あなたのわんチャン専用に向けられたものではないからです。
大切なことは、あなたの気持ちが「動き」となり、「表情」に表れ、そして「声」になり、
観察する「目」を持ち、犬の気持ちを聞く「心」を持って、初めて通じ合えるのです。
犬と初めて暮らす人は、これらのことがわかるまで何年もかかるでしょう。
犬を何代も飼っている人でさえ、一生わからないままの人もいます。
リーダーには、なろうとしてなれるものではありません。
いくらあなたが愛犬に(部下に)「今日から俺がお前のリーダーだぞ!」と威張って見せても、
あなたがリーダーにふさわしいかどうかは、犬が(部下が)決めることなのです。
リーダーには犬側から見たリーダー像と、人間側から見たリーダー像の2つがあります。
「犬側」から見た理想のリーダーは、きちんとコミュニケーションがとれる人だと思います。
犬は不安になったり、パニックになったり、興奮したりした時に
自分をコントロールできなくなります。そんな時に、飼い主がきちんとコミュニケーションをとり、
愛犬を落ち着かせることが出来てこそ、しつけの意味があるのだと思います。
そんな苦手なシチュエーションの時に、何をすべきかをきちんと指示してくれて、
コミュニケーションが取れる飼い主を、犬は信頼するのではないでしょうか?
上司と部下も、先生と生徒も、親と子も、そして、夫婦もコミュニケーションが取れてこそ、
そこに尊敬や信頼が生まれるのではないでしょうか。
「人間側」から見たリーダーにふさわしい人とは、「全責任を負える人」だと思います。
全責任とは、「毎日の散歩」「身体のケア」「健康管理」「知識」「しつけ」「環境」など、
すべてのことに対してです。
大事なことは、「犬に厳しくするのではなく、自分に厳しくなること」だと思います。
愛犬に理想や完璧を求めるなら、自分がそうであるかどうかを自問して下さい。
もし、完璧な飼い主にはなれそうにないと思ったら、犬にも完璧を求めないだけの話です。
イヌとヒトは、文化も習慣も、そして、コミュニケーションの手段も違います。
犬のしつけとは、そんなヒトとイヌが一緒に暮らすわけですから、
犬と通じ合うために、コミュニケーションの取り方を、お互いが学ぶことではないでしょうか。
いまだに犬のしつけは、この「お互いが学ぶ」という部分が抜けていると思います。
■あなたは愛犬から信頼されるリーダーだと思いますか □思う □思わない □わからない
という質問が、問題行動カウンセリングの項目にあるのですが、
僕の答えは、☑わからない にチェックがつきます。
こればっかりは、大治郎に聞いても困った顔をするだけで、答えてくれないのでわかりません。
糸山>今日も楽しかった?
だいじろう>はい!