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Visse's Blog エッセイ: 2023年2月アーカイブ

横浜市の犬のしつけレッスン/犬の幸せとは?

犬の幸せとは何でしょうか?犬はどんな時に幸せを感じるのでしょうか?犬は「好奇心」のかたまりです。その好奇心の先にあるものは「達成感」です。そして、狩猟動物である犬の好奇心は、とくに「探索する」「追いかける」「破壊する」という行動によって満たされます。
 
ボールを追いかけるのは、獲物を追いかける本能であり、ぬいぐるみの綿を取り出して破壊するのは、仕留めた動物の内臓を引っ張り出す本能です。麻薬探知犬や災害救助犬、警察犬たちが生き生きとして仕事をするのも、「探索行動」の探し当てた時の達成感から得られる自分自身の喜びと同時に、飼い主の喜ぶ姿が犬にとっても幸せだからです。

僕が小学生の頃、友達と探検ごっこをして硬式野球のボールを見つけた時の興奮は、今でも忘れることができません。人も犬も何かを達成することで、喜びを得られるように神様がインプットしています。

探索行動以外では、フリスビーやボールを追いかけるなどの「狩猟行動」は、いっそう犬の本能を掻き立てることができます。そして、その達成感は、飼い主と共有できた時、何倍もの喜びとなりこの上ない幸せを犬は感じるのです。

では、使役犬と違い仕事を持たない無職の家庭犬にとって、幸せとは何でしょうか?それは、大好きな飼い主とのお散歩です。犬にとって大好きな飼い主と共に行動する散歩の時間は、1日のうちで最も楽しい時間なのです。

散歩に行くことで外の世界と繋がり、五感が刺激され豊かな心を育むことができるのです。毎日お散歩に行く犬の表情は、生き生きとしています。逆に散歩をしない子は、外での刺激が不足し、神経質で臆病な子に育ちやすくなります。

とくに長時間のお留守番をさせられて散歩が不足している犬は、ストレスをため込んでイライラしています。それが、無駄吠えや噛みつきという行動に現れるのです。私の生徒さんでペットショップの店員さんや獣医さんに、「お散歩は毎日行かなくても、飼い主の都合で行けば大丈夫ですよ」と言われた方が何十人もいます。

言われた方のほとんどが、小型犬の飼い主さんですが、これは多分、犬を「家畜」として「飼う」ことを前提に言われているのだと思います。家畜ということであれば、お散歩は飼い主の都合で行きたい時に行こうが、ケージに閉じ込めてお留守番を長時間させようが構わないでしょう。

しかし、「家族」として「共に暮らす」のであれば、豊かな生活環境を与え、愛犬の心を育むことが、飼い主としての義務であり、責任ではないでしょうか?その一番の義務と責任がお散歩だと私は思っています。朝は時間がなくてお散歩に行けないというのは、理由にもなりません。
 
散歩は、愛犬の心と体を健全に育み、飼い主と信頼関係を築く基礎作りです。
散歩は、犬が犬としての喜びを感じる、1日で一番大切な時間です。


ヴィッセが考える「共に暮らすためのしつけ」とは、毎日のお散歩が土台としてあって成り立つと考えています。 犬にとって、飼い主との散歩は生活のすべてです。挑戦すること、協力すること、達成すること、そして、元気に走り回ること・・・。犬の一生は、毎日が夏休みなのです。 

横浜市の犬のしつけレッスン/~問題と言われる行動について~

一般的に問題行動と言われている、「吠える」「齧る」「甘噛み」「飛びつく」「拾い食い」「トイレをどこでもする」「くわえた物を離さない」など、これらの行動は、犬が犬としての遺伝情報に基づき、「本能的に行動しているだけ」です。


とくに子犬のうちは活発な子ほど、本能の塊のようなただの野生動物です。しかし、その本能的な行動の中には、育ちすぎると無駄吠えなど、人間社会で生活するにあたり、弊害になってしまうものもあります。


そして、どの遺伝情報を顕著に引き継いでいるかは、犬種、繁殖にも左右されますが、ひとつだけはっきりと言えることは、人間側にとって問題と呼ばれる行動を顕著に引き継いでいる犬ほど、しつけの必要があるということです。


人間と暮らし始めたばかりの子犬には、問題行動というものは基本的にはありません。飼い主からまだ何も教えてもらっていないわけですから・・・。先に述べた行動は、犬を自由奔放に行動させていれば、当たり前のようにやります。そうした行動が成犬になっても残ってしまうと、問題行動と呼ばれるようになるわけです。


また、犬によっても個体差があるので、すべての犬が問題行動を起こすわけではありません。しつけがしやすいかしにくいかは、生まれ持った犬の気質で決まるといっても良いでしょう。


犬の行動が問題化する原因の多くは、犬の気質に加え社会化不足や散歩不足、長時間のお留守番など、子犬の頃の経験不足によることがほとんどです。そして、犬に何か問題が起きると、多くの飼い主がその問題のみに目を向けてしまい、しつけの本やネット、または人から聞いた情報などで直そうとしますが、ほとんど上手くいくことはありません。


なぜなら、それらの情報は、問題を起こしているワンちゃん専用に向けられたものではないからです。さらに、飼い主が犬という動物の習性や、学習の仕方を正しく理解できていないこと、犬に与えている生活環境が適切でなかったり、悪い行動を叱るだけで、良い行動を教えないことにも原因があるからです。


イヌとヒトは、文化も習慣も、そして、コミュニケーションの手段も違います。犬のしつけとは、そんなヒトとイヌが一緒に暮らすわけですから、犬と心を通わせるために、コミュニケーションの取り方をお互いが学ぶことではないでしょうか。現在の家庭犬のしつけは、このお互いが学ぶという部分が抜けていると思います


現在における家庭犬のしつけとは、単に「スワレ」や「マテ」を教えることではなく、犬をしつけようとする前に、飼い主が正しい知識を勉強し、それを自分の知識として持つことで、初めてしつけや問題に対する適切なアプローチと、的確な対処を発揮することが出来るようになるのです。


横浜市の犬のしつけレッスン/愛犬に攻撃行動が起きた時の対処②~優位性攻撃行動~

犬が飼い主と暮らしていくうちに、何らかの理由で飼い主や家族よりも、自分の方がだと思ってしまう犬がいます。この原因を作り出しているのは、他ならぬ飼い主です。


「犬を四六時中抱っこする」 「犬の好きなように自由に行動させる」 「一緒のベッドに寝かせる」
「犬の要求に無条件で応じる」 「散歩は犬の行きたい方へついて行く」
など、


飼い主が良かれと思って与えている愛情や態度、接し方を、犬が自分に対して「従属的」な態度だと受け取り、その結果、自分の方がだと思い込んでしまうことがあるのです。「権勢症候群」とも言われています。


優位性攻撃行動の矯正は、


1.ルールを何かひとつ作る

2.犬に決定権を与えない

3.日常生活で行う3つの事を実践する


この3つを行います。


子供も犬も問題が起きると、「飼い主(親)が甘やかして育てたからだ」と言われますが、甘やかすとは一体どういうことを言うのでしょうか?甘やかしとは、相手の要求に「無条件」で応えてしまうことです。


犬も子供も甘やかしは、問題行動が起きやすい原因とも言えるでしょう。飼い主と犬との信頼関係を築きなおすには、生活全般に渡って、飼い主が決定権を握っていることが重要になるのです。※決して主従関係ではありません。


犬(子供)をノールールで自由に育て過ぎると、当然わがままな犬(子供)になりやすくなります。愛犬に攻撃行動が起きた時、まず始めに見直すことは、犬に決定権を与えないことです。


犬が何か行動を起こそうとした時に、 一旦、飼い主に「してもいいの?」と「お伺い」を立てさせ、常に犬の方から飼い主にコミュニケーションを取ってくるように習慣をつけるのです。お伺いを立てさせることで、犬の従属性が引き出され、より飼い主の決定権が強化されます。


例えば、抱っこをせがむ時は、「お座り」をさせて、座ったご褒美として、犬の要求を満たしてあげます。優位性攻撃行動の矯正で大切なことは、犬が何かを要求している場合には、無条件に応えるのではなく、必ず飼い主側からの要求を挟むことで、犬の従属性を引き出すことです。


そして、犬にとって今まで無条件で手に入れていたご褒美となるものは、今後一切ただでは手に入らないということを学習させます。ヴィッセでは、優位性攻撃行動の矯正は、戦って服従させようとすることではなく、犬の信頼と尊敬を勝ち取ることを目標としています。


横浜市の犬のしつけレッスン/愛犬に攻撃行動が起きた時の対処①

愛犬に攻撃行動が起きた場合、以下の3つの事を実践します。


1.咬まれる状況を徹底して排除する

2.行動欲求を満たし、生活環境を見直す

3.日常生活で行う3つのことを実践する


1.の「咬まれる状況を徹底して排除する」は、「特定のオモチャに執着して咬んでくる」とか、「足を拭こうとすると咬んでくる」など、今後、そのオモチャで遊ばなければならない、散歩の後、絶対に足を拭かなければならない、ということはないので、まず、オモチャで遊ぶのをやめる、足を拭かない、咬む要因となるものを与えないなど、犬が攻撃行動を起こしやすい状況を徹底して排除します。


これは、今後オモチャで遊ばないとか、足拭きをしないという意味ではなく、攻撃する経験をさせないと言う意味で行います。犬が攻撃する行動を頻繁に行っていると、学習の連続になり咬むという行為が常態化してしまうのです。

 

そうして飼い主は攻撃を繰り返されることで、愛犬に対する恐怖心が更に増してしまいます。そうなってしまうと、今後のレッスンが余計に難しくなるので、攻撃行動を起こす状況を、絶対に作り出さないという考え方です。

また、トレーナーや訓練士によっては、犬が噛んでくる状況をあえて作り出し、戦って服従させることで解決しようとする人達がいます。この方法が間違っているということではなく、同じことを飼い主が行うのは非常に難しということです。とくに「マズルコントロール」は最悪の方法です。もし、飼い主が決着をつけられなかった場合は、問題が更に悪化してしまいます。


次に、2.の「行動欲求を満たす」を行います。お散歩は必ず1日2回行き、できれば公園でロングリードをつけて走らせて下さい。また、お散歩中は、好き勝手に歩かせないようにします。とくに匂いを嗅がせるときは、好き勝手に嗅がせず、必ず許可を与えて嗅がせて下さい。日常生活の色々な場面で許可を与えて行動させることで「お伺い」をたてさせ、従属性を引き出していきます。


そして、攻撃行動が収まっている間に、3.の日常生活で行う3つのことを毎日実践して下さい。最終的なゴールは、犬の我慢と従属性を引き出し、愛犬ときちんとコミュニケーションが取れるようになることと、「ダメ」がきちんとわかる犬に育てていくことです。


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