月別 アーカイブ

HOME > Visse's Blog > アーカイブ > エッセイ: 2019年7月アーカイブ

Visse's Blog エッセイ: 2019年7月アーカイブ

問題行動の主な原因は、経験不足とストレスです~ヴィッセのテキストから~

問題行動の主な原因は、経験不足とストレスです。

まずは、このことをしっかり理解して下さい。
無駄吠えや噛み付き、リードの引っ張りなど、個別の行動への対処は後回しにします。
その前に、
 
1.犬の生活環境を見直し整える。
2.ストレス解消を行う。
3.日常生活で行う3つのことを毎日実践する。


以上のことを理解して下さい。
これらのことは、今後、愛犬の問題行動を改善していくために、必要不可欠なことです。

とくに、1日8時間以上のお留守番をするワンちゃんを、
クレートやケージには、絶対に閉じ込めないで下さい。

ケージなどに長時間閉じ込めると、強いストレスがかかるので、問題行動がある犬には厳禁です。
犬自身が、自分では対処できないことと、何が起こるかわからないことは、ストレスの大きな原因になります。
ずっと閉じ込められていて自分では出られないというのは、人間でも非常に辛い状況です。

できれば、最低でも2畳位のスペースを確保して下さい。
そして、自分の意思で自由に動けるようにします。ただでさえ不安を抱えているところに、
その上、自分では出られない狭い場所に閉じ込められると、不安がますます募ります。

散歩は1日2回、最低40分~60分は連れて行って下さい。できれば、公園でロングリードをつけて
思いきり走らせてあげると最高です。散歩で気をつけることは、犬を好き勝手に歩かせないで下さい。

上記のことが改善されないと、無駄吠えや咬みつき、分離不安などは確実に悪化します。
もし、自分が愛犬と同じ生活環境に置かれたらどう感じるかを常に考えて下さい。
 

横浜市の犬のしつけ教室/問題行動の矯正法について

ヴィッセでは、問題行動の矯正には、行動分析学における「行動療法」または「行動修正法」と呼ばれる技法を使って行っています。行動療法とは、不適切な行動や態度を、適切な行動や態度に変えていく技法のことです。
 
この行動療法の優れている点は、「客観性」と「明瞭性」で、技法自体が科学的で論理的であるので、体罰を与える暴力的なしつけを行うことは決してありません。しかし、行動療法だけですべての問題を解決できるものではないという事、そして、犬の心の奥底まで理解できるものではありません。
 
私も行動分析学を応用してレッスンを行ってはいますが、それ以上に「愛情」や「感情」の方を大切にしています。なぜなら、我々と同じように心を持つ生き物である犬には、机上の論理よりも時として愛情や感情の方が優るからです。
 
ですので、私は行動療法の他に※補完代替療法として「アニマルコミュニケーション」と「アニマルヒーリング」を取り入れています。その理由として、問題行動の矯正は犬の心のリハビリと考えているからです。
 
問題行動で一番つらいのは犬自身なのです。※シーザー・ミランではありませんが、
「犬にはリハビリを」「飼い主には訓練を」が私のモットーです。問題行動は適切な生活環境を与え、
飼い主の方が犬の習性と学習の仕方を正しく理解できれば必ず改善します。
 
※シーザー・ミラン アメリカの有名なカリスマトレーナー。著書に「あなたの犬は幸せですか」がある。
 
※補完代替療法
補完代替療法とは、現代西洋医学以外の各種療法の総称。「相補する、補う」と「療法」を合わせた言葉で、一般的に自然療法や伝統的な医療を含めた様々な療法を指します。犬や猫の補完代替療法としては、ホメオパシーやバッチフラワーなどが代表的なものです。

補完代替療法では、表面に現れている身体的な問題だけではなく、精神的な状態やストレスの度合いなどの生活環境にも配慮し、犬の問題を部分的に捉えるのではなく、全体的(ホリスティック)に捉え、一頭一頭の症状に合わせて行うことが大きな特長です。

横浜市の犬のしつけ教室/無駄吠えなどの問題行動について

問題行動について~飼い主の方に理解して頂きたいこと~

犬(人)の行動の発達は、犬(人)が行動したことに対して、飼い主(相手)がどのようにリアクションしたかで、自分の行動を選択しています。そして、良い行動も悪い行動も、飼い主(相手)とフィードバック(答え合わせ)を行い、その結果、行動を増やしたり減らしたりしているのです。
 
犬の行動は、飼い主との相互関係の中で発生している行動なので、飼い主が変化しなければ、犬の行動も変わりません。したがって、問題行動の矯正においては、犬の好ましくない行動だけを変えようとするのではなく、飼い主の行動と同時に意識も変えることが不可欠なのです。
 
その飼い主の行動と意識を変えるために必要なことは、
 
1.犬を毅然とした態度で叱れるようになること ☞叱れない親、叱れない上司
2.問題のみに目を向けるのではなく、犬との生活全般を見直すこと
3.問題を治すことが出来るのは、飼い主自身であるということ

                        
以上の3つのことを理解して下さい。この3つのことを実践できなければ、
私がどんなに犬をトレーニングしても、問題の改善は見込めません。
 
.の犬を毅然とした態度で叱ることは、散歩中に人や犬に吠えかかった時に、飼い主が何もリアクションをしなかったら、それは犬にとってその行為を、飼い主が肯定した=許したということになり、毎回同じ場面で吠えるようになります。
 
反対に飼い主が毅然とした態度で叱ることができれば、犬にとってその行為は、否定された=許されないということになります。ただし、叱り方が弱いと一緒に吠えている、または褒めてもらっていると思い、犬は肯定されたと勘違いします。
 
ただし、叱るだけでは吠えが治ることはありませんが、人や犬に向かって吠える行為、そして人を本気で咬む行為は、反道徳的行為です。それを絶対に許さないという、飼い主の毅然とした態度を犬に示すことが重要なのです。

1

« エッセイ: 2019年5月 | メインページ | アーカイブ | エッセイ: 2019年11月 »

このページのトップへ