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HOME > Visse's Blog > エッセイ > 愛犬に攻撃行動が起きた時の対処②~優性攻撃行動~
Visse's Blog
< 愛犬に攻撃行動が起きた時の対処①~ヴィッセのテキストから~ | 一覧へ戻る | 横浜市の犬のしつけ教室/今日のわん子達。 >
愛犬に攻撃行動が起きた時の対処②~優性攻撃行動~
愛犬が何か問題を起こした時、飼い主は問題が突然起きたと思いがちですが、ほとんどの問題行動というのは、
どんなに突然始まったように見えても、問題が起きる原因には必ずプロセスがあるのです。
犬が飼い主を本気で咬む原因は、犬の生まれながらの資質に加えて、飼い主の行動にも原因があります。
「犬を四六時中抱っこする」 「犬の好きなように自由に行動させる」 「一緒のベッドに寝かせる」
「犬の要求に無条件で応じる」 「散歩は犬の行きたい方へついて行く」など、
飼い主が良かれと思って与えている愛情や態度、接し方を、犬が自分に対して「従属的な態度」だと受け取り、
その結果、自分の方が上だと思ってしまうのです。それが、「優位性攻撃行動」です。
20年ほど前は、「権勢症候群」と言われていました。最近では、「自己主張性攻撃行動」とも言われています。
子供も犬も問題が起きると、「飼い主(親)が甘やかして育てたからだ」と言われます。
甘えさせると甘やかすは違います。甘やかしとは相手の要求に「無条件」で応えてしまうことです。
甘やかしは、決定権を人間であれば子どもに、犬との生活であれば犬に与えてしまいます。
犬も子供も甘やかしは、問題行動が起きやすい原因とも言えるでしょう。
飼い主と犬との信頼関係を築きなおすには、生活全般に渡って、飼い主が決定権を握っていることが重要になります。
犬(子供)をノールールで自由に育て過ぎると、当然わがままな犬(子供)になりやすくなります。
愛犬に攻撃行動が起きた時、まず始めに見直すことは、犬に決定権を与えないことです。
犬が何か行動を起こそうとした時に、 一旦、飼い主に「してもいいの?」と「お伺い」を立てさせ、
常に犬の方から飼い主にコミュニケーションを取ってくるように習慣づけるのです。
お伺いを立てさせることで、犬の従属性が引き出され、より飼い主の決定権が強化されます。
例えば、抱っこをせがむ時は、「お座り」をさせて、座ったご褒美として、犬の要求を満たしてあげます。
優位性攻撃行動の矯正で大切なことは、犬が何かを要求している場合には、無条件に応えるのではなく、
必ず飼い主側からの要求を挟むことで、犬の従属性を引き出すことです。
そして、犬にとって今まで無条件で手に入れていたご褒美となるものは、
今後一切ただでは手に入らない、ということを学習させます。優位性攻撃行動の改善は、
犬以上に飼い主の行動と意識の変化が求められます。
カテゴリ:
(DOG SCHOOL Visse) 2022年5月19日 14:18
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横浜市の犬のしつけレッスン/断尾は必要?
いつも散歩に行く臨海公園で会ったコーギーです。本来であれば、こんな立派な尻尾がついています。動物愛護精神の強い欧米では、ここ10数年の間に断尾・断耳を禁止する法律が北欧を中心に広がり、現在では多くの国々がこの法律を採用しています。
日本にも「動物の愛護及び管理に関する法律」、いわゆる「動管法」というものがあり、
この中に基本原則として、
「第二条 動物が命あるものであることにかんがみ、何人も、動物をみだりに殺し、傷つけ、
又は苦しめることのないようにするのみでなく、人と動物の共生に配慮しつつ、
その習性を考慮して適正に取り扱うようにしなければならない」と書かれてあります。
この文面を見る限り、断耳や断尾などの行為は、十分この法律に反するものではないかと思います。
いつの日か、日本でも断耳や断尾がはっきりと法律で禁止されることを願わずにはいられません。
(DOG SCHOOL Visse) 2024年2月13日 09:30
褒めてしつけるとは~犬を叱るということ~
いまだにしつけと訓練、トレーニングが混同されています。もし、私が犬に持ってこいや、フリスビーなどを教えたくてトレーニングをする場合は、モチベーションを大切するので絶対に叱りません。
なぜなら、叱って上達することはありえませんから。人にテニスを教える時も同じです。トレーニングをする時は、犬の希求性が大切なのです。
出来ないからといって叱ると、モチベーションが下がり、脳が覚えることを拒絶してしまうのです。
しつけとは、犬も人間も「やってもよいこと」と「やってはいけないこと」を教えることです。犬が周りに迷惑をかける行動をした時は、それはいけないということが伝わるようにきちんと叱り、止めさせなくてはなりません。
しつけの本には、犬が吠えた時は「無視」して下さいと書いてあることがありますが、書いた人は、周りやご近所の迷惑という事を考えた上で書いているのでしょうか?
ある哺乳類動物の研究でも、親にきちんと叱られることに愛情を感じ、叱ってくれる親にすがろうとすることが認められています。
ただ、反省と後悔ができない犬をただ叱るだけでは、犬は好ましくない行動をどう改めればよいかはわからないのです。まして叱って犬がお利口になるなら誰も苦労しません。
しかし、それでもあなたの犬は、どんなに間違ったことを叱られて正解を教えてもらえなくても、あなたに変わることのない永遠の愛情を向けてくれるのです。
どちらにしても、善悪の概念がない犬を叱ることは、犬にとっては理不尽な事ばかりだと私は思っています。そして、たとえあなたが些細なことで短気を起こして叱ったとしても、私はそれでいいとも思っています。
なぜなら、犬はあなたの「家族」であり、子供なのですから。家族であれば、ちょっとしたことで親子げんかも兄弟喧嘩も、夫婦喧嘩もするでしょう。でも、喧嘩をしてこそ家族なのです。
あなたが些細なことで愛犬を叱って、それが理不尽なことだったなーと、後々思われることもあるでしょう。でもそれでいいのです。なぜなら、いつか来る別れの日に、あなたは愛犬にきっとこう謝るからです。
「ごめんね・・・あの時あんなことで叱って・・・」と。
それでも犬は、そんなことさえ覚えていないでしょう。その別れの瞬間、犬にあるのは楽しかった思い出と、あなたに対する感謝だけなのですから・・・。
そして、これだけは覚えておいてください。
どんなに頑張っても、犬たちが私たちに向ける愛情には勝てないということ。
犬たちは、常に私たちに話しかけ問いかけてくれているということ。
どんなに叱られても、あなたの愛犬はあなたのことが大好きだということを・・・。
最後に、盲導犬訓練士 多和田 悟氏の言葉を紹介します。
【Noは教えなければならないが、Noで何かを教えることはできない。】
(DOG SCHOOL Visse) 2024年2月 9日 11:20
横浜市の犬のしつけレッスン/しつけと訓練の違い
先日、いつもの公園でのこと。2頭の小型犬が並んで座っていた。その20メートル程先に飼い主が立っていて、「待て」のハンドシグナルを出している。2頭とも微動だにしない。
そして、飼い主が1頭を呼び寄せた後に、もう1頭を呼び寄せたのである。う~ん、2頭別々の「呼び戻し」は、なかなか出来るものではない。
その翌日、また公園を歩いていると、正面から先の小型犬と飼い主がやって来た。軽く会釈でもしようと思っていたら、すれ違いざま2頭にものすごい勢いで吠えかかられてしまった。
当の飼い主はというと、犬を叱るわけでもなく、僕に謝るわけでもなく無言のまま通り過ぎてしまった。多分、この飼い主は、主人のいうことを忠実に聞くことが「しつけ」だと思っているのだろう。
いまだに「しつけと「訓練」が混同されているが、上記の「待て」からの呼び戻しは「訓練」で、人や犬に向かって吠えないというのが「しつけ」です。いくら飼い主のいうことを忠実に聞いても、人に迷惑をかけていたら何の意味もありません。
しつけとは、子供と同じように「やっても良いこと」と「やってはいけない」ことを教えることです。その犬のしつけには、飼い主の「道徳観」と「価値観」が大きく左右するのです。
(DOG SCHOOL Visse) 2024年1月19日 10:49
横浜市の犬のしつけレッスン/間違った「待て」の教え方。
犬のしつけの定番と言えば、「お座り」と「待て」ですね。ヴィッセでは「待て」と命令調ではなく、子供に言うように優しく「待って」と言います。ヴィッセに来られた飼い主の方々の「待って」の教え方に共通していることが必ず三つあります。
一つ目は、画像のように犬にオヤツを見せて「待て」をさせます。当然犬はオヤツしか見ていません。これを行ってしまうと、犬はあなたのために待つのではなく、オヤツのために待つ犬になります。そして、同時に食べ物に対する執着心を育ててしまう結果になります。
二つ目は、犬が待っている間一切褒めません。皆さん「待て」を連呼するか「無言」か、どちらかに分かれます。犬が大人しく待っているということは=正解ということです。それを「グ~ド!」と褒めてあげないと、犬は自分の行動が正しいのか間違っているのか不安になります。
この「グ~ド!」は、褒めるニュアンス以外に「そうだよ、それで合ってるよ!正解だよ!」という意味があります。こうして待ってを教えると、犬が安心して楽しく待つようになります。
最後に三つ目ですが、皆さん犬が座った状態で「ヨシ」と言ってオヤツをあげるので、これは「良くできたね!」の「ヨシ」になってしまいます。「ヨシ」は褒めるための言葉ではありません。「ヨシ」は「もう動いてもいいよ」という「解除」の言葉なのです。
そして、待ってを解除した後に、たくさん褒めてあげます。「待って」と「ヨシ」は、セットで教えなければならないのです。
一番肝心なことは、外でもできるように応用することです。家で出来ても外や興奮した時は、「待って」ができないという方がほとんどです。ですので、ヴィッセでは以下の「3種類の待って」を教えています。
① 一時待機の待って☞一般的な待ってがこれですね。
➁ 緊急の待って☞リードや首輪が外れた時に命が救えます。
➂ 帰って来るからねの待って☞犬をお留守番させるときに使います。
➂は、出かける時には声をかけずに、無言で出て行くというのがありますが、犬は余計不安になるので、ちゃんと「帰って来るから待っててね」と、声をかけてあげてください。また、ご飯を床に置いて「待って」をさせる方がいますが、これは犬に強いストレスをかけるので行わない方が良いです。
「待って」は、我慢をさせるのが目的ではなく、吠える事も含めて犬が興奮した時やパニックになったりした時に、「行動の鎮静剤」として犬の動きを止めるために使うのです。
(DOG SCHOOL Visse) 2023年12月 6日 17:34
横浜市の犬のしつけレッスン/家庭犬のしつけとは?
~2015.9.18の投稿から~
18日(金)今日はジャスパーくんのお散歩レッスンで元町に来ました。折角元町まで来たのでスタバでカフェデビューです。二人ともとても良い笑顔ですね!ジャスパーくんも、お行儀良く伏せてカメラ目線がバッチリ決まりました!とくに指示をして伏せさせている訳ではなく、ジャスパーくんが自発的に伏せています。
ヴィッセではいちいち指示をするのではなく、犬が自発的にお行儀の良い行動を行うように習慣づけていきます。それに対して警察犬や盲導犬たちに※自発的行動は許されません。あくまでも指示されたことに対して忠実に行動しなければなりません。
そしてそれは、人間の仕事を手伝う使役犬としてはとても重要なことなのです。でも私たちの目の前にいる犬は無職の家庭犬です。そんな無職の家庭犬に訓練は必要ないのです。
家庭犬のしつけとは、スワレやマテなどを教えることよりも「習慣・ルール」を教えることの方が大切なのです。そして、この2つを教えることにより「我慢=自制心」を覚え、衝動と感情のコントロールができる落ち着いた子に育つのです。
※盲導犬には「利口な不服従」というのがあり、これはある場面において飼い主の命令に背くことなのですが、自発的行動と呼べるかも知れません。
(DOG SCHOOL Visse) 2023年12月 5日 14:55