月別 アーカイブ

HOME > Visse's Blog > エッセイ > 横浜市の犬のしつけレッスン/しつけと訓練の違い

Visse's Blog

< 横浜市の犬のしつけレッスン/旭区 ジャックラッセル・テリア はなちゃん 5才  |  一覧へ戻る  |  横浜市の犬のしつけレッスン/港南区 ボーダー・コリー レイルくん 1才 >

横浜市の犬のしつけレッスン/しつけと訓練の違い

以前、以下のようなお問い合わせがありました。

「ジャーマン・シェパードのオリバーは、生後6ヶ月の時、1年間弱訓練所に通い基本的なしつけを受けました。
スワレ、フセ、マテ、コイ、ツケ等の命令にもきちんと従い、この点では特に問題を感じていません。


朝・夕のお散歩は自転車に併走する形で、5Km程走っていますが、きちんと横について、
人や他の犬とすれ違ったりしても吠えることはありません。
 
ところが、以下の2点については、どのようにしても言うことを聞かず深刻な問題だと思っており、
妻からもとにかく何とかしてほしいと言われ困っています。

問題行動 ① 
電話が鳴った途端、および玄関のピンポンがなった途端、ワンワンワンワンと吠え続けて部屋中を走り回ります。 
電話機を持って別の部屋に行かないと、うるさくて通話ができないほどです。

問題行動 ②
独立した娘たちや知人が家に来ると、うれしさのあまり飛びついて仕方がありません。非常にジャンプ力があるので
危なくて放置できないため、ケージに入れるとそこでワンワンワンワンと吠え続けて困っています。

以上の2点について是非矯正したくご相談したい次第です。よろしくお願いします。」

飼い主の方は、警察犬訓練所のしつけ教室に行かれたのですが、警察犬訓練所における基本的なしつけとは、
スワレ、フセ、マテ、コイ、ツイテの5つの動作を教えることです。
そして、この「犬のしつけ」とも思われているこれらの動作を教えることを「服従訓練」と呼んでいます。


そもそも、この服従訓練の目的とは、人間の仕事を手伝う使役犬になるためのものです。

訓練には常に緊張感と集中力が求められるので、指示も「座れ!」「待て!」と厳しく言わなければなりません。
もちろん、立派な警察犬になるための訓練ですから、厳しい訓練には耐えなければなりません。

しかし、人間の仕事を手伝わない無職の家庭犬の暮らしとは「リラックス」です。
その家庭犬のしつけとは、むやみに吠えないとか、拾い食いをしないとか、
他の犬と上手に挨拶ができるとか、日常生活での好ましい行動や、好ましくない行動を教えてあげることです。

使役犬として、指示された命令に忠実に従わせることが目的の訓練と、
家庭犬として、共に暮らすためのしつけはまったく別なものなのです。

まして、どんなにの動作が完璧に出来ても、日常生活で飼い主を煩わせたり、
周りに迷惑をかけていたら本末転倒だと思いませんか?


問題行動①は「吠えないしつけ」そして、問題行動②は「我慢のしつけ」になります。私はこの2つのしつけを
一番重要に考えています。この2つこそが、現在における家庭犬のしつけで最も大切なしつけではないでしょうか?
しかし、残念なことに「無駄吠え」の相談が後を絶ちません。

スワレやマテは完璧に出来るけど、吠えるのはどうにもならないレッスンと、
スワレやマテはあまり上手に出来ないけど、絶対吠えないレッスンがあったら皆さんはどちらを選びますか?

 

日本でもひと昔と比べると、しつけ教室の数はずいぶん増えました。

しかし、多くのしつけ教室で教えている内容は、おやつを使うとか使わないなどの形の違いこそあれ、

現在の家庭犬のしつけは、前述した服従訓練が基盤となっています。
 

もし、あなたが愛犬と競技会やアジリティーを目指すのであれば、訓練が必要になります。
しかし、そうでなければ、無職の家庭犬にしつけは必要ですが、訓練は必要ないのです。



カテゴリ:

< 横浜市の犬のしつけレッスン/旭区 ジャックラッセル・テリア はなちゃん 5才  |  一覧へ戻る  |  横浜市の犬のしつけレッスン/港南区 ボーダー・コリー レイルくん 1才 >

同じカテゴリの記事

横浜市の犬のしつけレッスン/断尾は必要?

いつも散歩に行く臨海公園で会ったコーギーです。本来であれば、こんな立派な尻尾がついています。動物愛護精神の強い欧米では、ここ10数年の間に断尾・断耳を禁止する法律が北欧を中心に広がり、現在では多くの国々がこの法律を採用しています。
 
日本にも「動物の愛護及び管理に関する法律」、いわゆる「動管法」というものがあり、

この中に基本原則として、
 
「第二条 動物が命あるものであることにかんがみ、何人も、動物をみだりに殺し、傷つけ、

又は苦しめることのないようにするのみでなく、人と動物の共生に配慮しつつ、

その習性を考慮して適正に取り扱うようにしなければならない」と書かれてあります。
 
この文面を見る限り、断耳や断尾などの行為は、十分この法律に反するものではないかと思います。

いつの日か、日本でも断耳や断尾がはっきりと法律で禁止されることを願わずにはいられません。
 

130413_01-thumb-300x209-763 (1).jpgのサムネイル画像 

褒めてしつけるとは~犬を叱るということ~

先日、無駄吠えのカウンセリングで「犬が吠えた時には叱ってますか?」という質問に対して、「本に叱ってはいけないと書いてあったので叱っていません」という答えが返ってきました。

いまだにしつけと訓練、トレーニングが混同されています。もし、私が犬に持ってこいや、フリスビーなどを教えたくてトレーニングをする場合は、モチベーションを大切するので絶対に叱りません。

なぜなら、叱って上達することはありえませんから。人にテニスを教える時も同じです。トレーニングをする時は、犬の希求性が大切なのです。
出来ないからといって叱ると、モチベーションが下がり、脳が覚えることを拒絶してしまうのです。

しつけとは、犬も人間も「やってもよいこと」と「やってはいけないこと」を教えることです。犬が周りに迷惑をかける行動をした時は、それはいけないということが伝わるようにきちんと叱り、止めさせなくてはなりません。
 
しつけの本には、犬が吠えた時は「無視」して下さいと書いてあることがありますが、書いた人は、周りやご近所の迷惑という事を考えた上で書いているのでしょうか?

ある哺乳類動物の研究でも、親にきちんと叱られることに愛情を感じ、叱ってくれる親にすがろうとすることが認められています。

ただ、反省と後悔ができない犬をただ叱るだけでは、犬は好ましくない行動をどう改めればよいかはわからないのです。まして叱って犬がお利口になるなら誰も苦労しません。

しかし、それでもあなたの犬は、どんなに間違ったことを叱られて正解を教えてもらえなくても、あなたに変わることのない永遠の愛情を向けてくれるのです。

どちらにしても、善悪の概念がない犬を叱ることは、犬にとっては理不尽な事ばかりだと私は思っています。そして、たとえあなたが些細なことで短気を起こして叱ったとしても、私はそれでいいとも思っています。
 
なぜなら、犬はあなたの「家族」であり、子供なのですから。家族であれば、ちょっとしたことで親子げんかも兄弟喧嘩も、夫婦喧嘩もするでしょう。でも、喧嘩をしてこそ家族なのです。

あなたが些細なことで愛犬を叱って、それが理不尽なことだったなーと、後々思われることもあるでしょう。でもそれでいいのです。なぜなら、いつか来る別れの日に、あなたは愛犬にきっとこう謝るからです。

「ごめんね・・・あの時あんなことで叱って・・・」と。

それでも犬は、そんなことさえ覚えていないでしょう。その別れの瞬間、犬にあるのは楽しかった思い出と、あなたに対する感謝だけなのですから・・・。
 
そして、これだけは覚えておいてください。
 
どんなに頑張っても、犬たちが私たちに向ける愛情には勝てないということ。
犬たちは、常に私たちに話しかけ問いかけてくれているということ。
どんなに叱られても、あなたの愛犬はあなたのことが大好きだということを・・・。
 
最後に、盲導犬訓練士 多和田 悟氏の言葉を紹介します。

Noは教えなければならないが、Noで何かを教えることはできない。

横浜市の犬のしつけレッスン/しつけと訓練の違い

D2R_4150.JPGのサムネイル画像のサムネイル画像先日、いつもの公園でのこと。2頭の小型犬が並んで座っていた。その20メートル程先に飼い主が立っていて、「待て」のハンドシグナルを出している。2頭とも微動だにしない。

 

そして、飼い主が1頭を呼び寄せた後に、もう1頭を呼び寄せたのである。う~ん、2頭別々の「呼び戻し」は、なかなか出来るものではない。

 

その翌日、また公園を歩いていると、正面から先の小型犬と飼い主がやって来た。軽く会釈でもしようと思っていたら、すれ違いざま2頭にものすごい勢いで吠えかかられてしまった。

 

当の飼い主はというと、犬を叱るわけでもなく、僕に謝るわけでもなく無言のまま通り過ぎてしまった。多分、この飼い主は、主人のいうことを忠実に聞くことが「しつけ」だと思っているのだろう。

 

いまだに「しつけと「訓練」が混同されているが、上記の「待て」からの呼び戻しは「訓練」で、人や犬に向かって吠えないというのが「しつけ」です。いくら飼い主のいうことを忠実に聞いても、人に迷惑をかけていたら何の意味もありません。

 

しつけとは、子供と同じように「やっても良いこと」と「やってはいけない」ことを教えることです。その犬のしつけには、飼い主の「道徳観」と「価値観」が大きく左右するのです。


横浜市の犬のしつけレッスン/間違った「待て」の教え方。

images.large-thumb-400x266-5686-thumb-480x319-5687.jpg

犬のしつけの定番と言えば、「お座り」と「待て」ですね。ヴィッセでは「待て」と命令調ではなく、子供に言うように優しく「待って」と言います。ヴィッセに来られた飼い主の方々の「待って」の教え方に共通していることが必ず三つあります。

一つ目は、画像のように犬にオヤツを見せて「待て」をさせます。当然犬はオヤツしか見ていません。これを行ってしまうと、犬はあなたのために待つのではなく、オヤツのために待つ犬になります。そして、同時に食べ物に対する執着心を育ててしまう結果になります。


二つ目は、犬が待っている間一切褒めません。皆さん「待て」を連呼するか「無言」か、どちらかに分かれます。犬が大人しく待っているということは=正解ということです。それを「グ~ド!」と褒めてあげないと、犬は自分の行動が正しいのか間違っているのか不安になります。


この「グ~ド!」は、褒めるニュアンス以外に「そうだよ、それで合ってるよ!正解だよ!」という意味があります。こうして待ってを教えると、犬が安心して楽しく待つようになります。


最後に三つ目ですが、皆さん犬が座った状態で「ヨシ」と言ってオヤツをあげるので、これは「良くできたね!」の「ヨシ」になってしまいます。「ヨシ」は褒めるための言葉ではありません。「ヨシ」は「もう動いてもいいよ」という「解除」の言葉なのです。

そして、待ってを解除した後に、たくさん褒めてあげます。「待って」と「ヨシ」は、セットで教えなければならないのです。


一番肝心なことは、外でもできるように応用することです。家で出来ても外や興奮した時は、「待って」ができないという方がほとんどです。ですので、ヴィッセでは以下の「3種類の待って」を教えています。


① 一時待機の待って☞一般的な待ってがこれですね。

➁ 緊急の待って☞リードや首輪が外れた時に命が救えます。

➂ 帰って来るからねの待って☞犬をお留守番させるときに使います。


は、出かける時には声をかけずに、無言で出て行くというのがありますが、犬は余計不安になるので、ちゃんと「帰って来るから待っててね」と、声をかけてあげてください。また、ご飯を床に置いて「待って」をさせる方がいますが、これは犬に強いストレスをかけるので行わない方が良いです。

 


「待って」は、我慢をさせるのが目的ではなく、吠える事も含めて犬が興奮した時やパニックになったりした時に、「行動の鎮静剤」として犬の動きを止めるために使うのです。


横浜市の犬のしつけレッスン/家庭犬のしつけとは?

~2015.9.18の投稿から~


18日(金)今日はジャスパーくんのお散歩レッスンで元町に来ました。折角元町まで来たのでスタバでカフェデビューです。二人ともとても良い笑顔ですね!ジャスパーくんも、お行儀良く伏せてカメラ目線がバッチリ決まりました!とくに指示をして伏せさせている訳ではなく、ジャスパーくんが自発的に伏せています。

ヴィッセではいちいち指示をするのではなく、犬が自発的にお行儀の良い行動を行うように習慣づけていきます。それに対して警察犬や盲導犬たちに※自発的行動は許されません。あくまでも指示されたことに対して忠実に行動しなければなりません。

そしてそれは、人間の仕事を手伝う使役犬としてはとても重要なことなのです。でも私たちの目の前にいる犬は無職の家庭犬です。そんな無職の家庭犬に訓練は必要ないのです。

家庭犬のしつけとは、スワレやマテなどを教えることよりも「習慣・ルール」を教えることの方が大切なのです。そして、この2つを教えることにより「我慢=自制心」を覚え、衝動と感情のコントロールができる落ち着いた子に育つのです。

盲導犬には「利口な不服従」というのがあり、これはある場面において飼い主の命令に背くことなのですが、自発的行動と呼べるかも知れません。
Cafeレッスン-thumb-500x375-1731 (1).jpgのサムネイル画像のサムネイル画像


このページのトップへ