コラム |
お散歩の意味 |
犬は、どんな時に幸せを感じるのでしょうか?みなさんは「犬の生きがいって何だろう?」と考えたことはありますか?
犬は好奇心のかたまりです。そして、狩猟動物である犬の好奇心は、探索する、追いかける、破壊するという行動によって満たされます。
ボールを追いかけるのは、獲物を追いかける本能であり、ぬいぐるみの綿を取り出して破壊するのは、動物の内臓を引っ張り出す本能です。
警察犬や災害救助犬、麻薬探知犬たちが生き生きとして仕事をするのも、探索行動の探し当てた時の達成感から得られる、自分自身の喜びと同時に、飼い主の喜ぶ姿が犬にとっても幸せだからです。
では使役犬と違い、仕事を持たない無職の家庭犬にとって、幸せとは何でしょうか?それは、大好きな飼い主とのお散歩です。
犬にとって、大好きな飼い主と共に行動する散歩の時間は、1日のうちで最も楽しい時間なのです。
散歩に行くことで外の世界と繋がり、五感が刺激され心と体を育むことができるのです。毎日お散歩に行く犬の表情は、生き生きとしています。
その反対に、あまりお散歩に連れて行ってもらえない子は、外での刺激が不足し、神経質で臆病な子に育ちやすくなります。
とくに、長時間のお留守番をさせられて散歩が不足している犬は、不安やストレスをため込み、精神的に不安定な状態で毎日を過ごしています。
それが、無駄吠えや噛みつきという行動に現れるのです。問題行動の多くは、長時間のお留守番と散歩不足によるストレスなのです。
私の生徒さんでペットショップの店員さんや獣医さんに、「お散歩は毎日行かなくても、飼い主の都合で行けば大丈夫ですよ」と言われた方が何十人もいます。言われた方のほとんどが、小型犬の飼い主の方々です。
これは多分、犬を「家畜」として「飼う」ことを前提に言われているのか、「お散歩」と「運動」の違いを理解できていないかのどちらかだと思います。
家畜ということであれば、お散歩は飼い主の都合で行きたい時に行こうが、ケージに閉じ込めて、お留守番を長時間させようが理解できます。
しかし、「家族」として「共に暮らす」のであれば、豊かな生活環境を与え、愛犬の心と体を健全に育むことが、飼い主としての義務であり、責任ではないでしょうか?
その一番の義務と責任がお散歩だと私は思っています。愛情とは「言葉」ではなく「行動」です。
散歩は、愛犬の心と体を健全に育み、飼い主と信頼関係を築く基礎作りです。
散歩は、犬が犬としての喜びを感じる、1日で一番大切な時間です。
ヴィッセが考える犬のしつけとは、毎日朝・夕のお散歩が土台として成り立つものと考えています。
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