コラム |
問題行動の矯正法について |
ヴィッセでは、問題行動の矯正には、行動分析学における「行動療法」または「行動修正法」と呼ばれる技法を使って行っています。
行動療法とは、犬の不適切な行動や態度を、望ましい行動や態度に変える技法のことです。
この行動療法の優れている点は、「客観性」と「明瞭性」で、技法自体が科学的で論理的であるということです。
「マズルをつかんで叱る」「仰向けにして叱る」などの体罰は与えませんし、「犬が吠えた時に缶を投げる」という馬鹿げたことも一切行いません。
また「主従関係」を前提とした「服従訓練」も行っていません。
しかし、行動療法というのは、あくまでも「学問」でしかないので、行動療法だけですべての問題が解決するものではありませんし、犬の心の奥底まで理解できるものでもありません。
私も行動分析学を応用してレッスンを行ってはいますが、それ以上に「愛情」や「感情」の方を大切にしています。
なぜなら、我々と同じように心を持つ生き物である犬には、机上の論理よりも愛情や感情の方が優ることがあるからです。犬は機械ではないので、マニュアル通りには動きません。
ですので、私は行動療法の他に、※補完代替療法として犬の心のもっと深い部分を理解するために、「アニマルコミュニケーション」と「アニマルヒーリング」を取り入れています。
犬にヒーリングというと驚かれるかも知れませんが、私がなぜヒーリングを取り入れているかというと、問題行動の矯正は、犬の「心のリハビリ」と考えているからです。
問題行動で一番つらいのは犬自身なのです。※シーザー・ミランではありませんが、「犬にはリハビリを」「飼い主にはトレーニングを」が私のモットーです。
現在、問題行動の矯正は、様々な方法で溢れ返っています。もちろん、それぞれの方がそれぞれの考え方で行なっているので、あっちが間違いでこっちが正しいということもありません。
しかし、飼い主の方にとっては、その違いにどれが正しいのだろうと悩まれることも多いと思います。
問題行動が改善するかどうかは、飼い主の方がそのトレーナーの考え方に共感できることと、心から信頼できるかが何よりも大切なことです。
そして、問題行動は飼い主の方が犬の習性と、学習の仕方を正しく理解できれば必ず改善します。もう遅いとあきらめないでご相談ください。一緒にがんばりましょう!
※補完代替療法
補完代替療法とは、現代西洋医学以外の各種療法の総称。「相補する、補う」と「療法」を合わせた言葉で、一般的に自然療法や伝統的な医療を含めた様々な療法を指します。
犬や猫の補完代替療法としては、ホメオパシーやバッチフラワーなどが代表的なものです。
補完代替療法では、表面に現れている身体的な問題だけではなく、精神的な状態やストレスの度合いなどの生活環境にも配慮し、
犬の問題を部分的に捉えるのではなく、全体的(ホリスティック)に捉え一頭一頭の症状に合わせて行うことが大きな特長です。
※シーザー・ミラン
アメリカの有名なカリスマトレーナー。著書に「あなたの犬は幸せですか」がある。
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