● 虹の橋 ●
天国の少し手前に、 「虹の橋」 と呼ばれるところがあります。
地上にいる大切な人と愛し合っていた動物は、死が訪れるとそこへ行きます。
そこには草地や丘があり、彼らはみんなで走り回って遊ぶのです。
食べ物も水もたっぷりあって、お日さまは降り注ぎ、みんな暖かく快適に過ごしています。
病気にかかっていたり、年をとっていた子たちは、ここでは健康と元気を取り戻し、
傷ついたり不自由な体になったりしていた子たちも、元通りの丈夫な体を取り戻します。
まるで、過ぎ去った日の夢のように……
ここではみんな幸せで、とても満足に暮らしています。あるひとつのことだけを除いては。
それは、彼らにとって特別な人、あとに残してきた大切な人がいないこと……
いつものように、動物たちが一緒に遊んで時を過ごしているある日、
そのうちのひとりが、足を止めて遠くに目を向けます。
やがて、その目はきらきらと輝き、体はたまりかねたように小刻みに震えはじめます。
そして、突然、そのひとりはみんなから離れて、緑の草地を跳ぶように走っていきます。
「あなた」 を見つけたのです。
とうとう出会えたあなたたちは、抱き合って再会を喜び合います。
そして、もう二度と、別れることはありません。
喜びのキスがあなたの顔に降りそそぎ、
あなたは両手で、愛するパートナーの頭と体をふたたび撫でます。
そして、あなたは信頼にあふれたその瞳を、もう一度覗き込みます。
あなたの人生から長いあいだ姿を消していたけれど、心からは一日たりとも消えたことがないその瞳を。
それから、あなたたちは一緒に 「虹の橋」 を渡るのです。
~原文訳:作者不詳~
【エンドロール】
『One Reason 〜共に生きた日々〜』
原 作 だいじろう with Family
監 修 松本 えつを
絵 kuroe(Woman Creators Bank)
発行者 矢野 慎也
発 行 UnSunG Books(株式会社アンサング)
〒160-0004東京都新宿区四谷1-7装美ビル2F・3F
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